京都には若い頃から何度も行っている。独身の頃は年に3回行った年もあった。出版社にいたので取材先を京都にして会社の出張のついでに観光したりもした。
子供が小さい頃は鉄道写真を撮ったり寝台列車に乗るために旅行した。まだ新潟から大阪行きの急行きたぐにという寝台列車があったので、とても便利だった。嵯峨野のトロッコ列車にも乗った。私と子供が寝台列車で北海道や関西など旅して、やがて次々に寝台は廃止されていった。今ではまともな寝台はサンライズ瀬戸、出雲しかない。
さて京都の話である。今回は京都の美大に行ってる息子が展示をするので、せっかくコロナも下火になり、なおかつ外国人の入国がオミクロン株により制限されているという絶好のタイミングで、京都が私を呼んでるぜとホテルを予約してみた。
久々の京都で何を見るか。ずっと気になっていたのが「苔寺」である。調べてみたら事前に往復ハガキで申込みが必要である。しかも写経をしてから庭園を見てくださいという。秘境感というか「とっておき」な感じが満々で、すぐ申込みしようと思った。
そうこうしていると友達の絵描きから電話が来て、私が京都に行く話をしたら「一緒に行きた〜い!」という。
私は一人でも宿を予約して電車なり車なり移動手段があれば旅行なんて簡単と思っているのだが、世の中はそういう人ばかりでもないらしい。友達は家族旅行以外で自分だけ旅行すること自体に感激していた。
思えば自分も昔はそうだったのではないか。離婚して子供も進学して毎日が自由行動なので、すっかりそんな感覚を忘れていた。
京都では、息子の展示を見て、夕食を皆で食べようとなり、それまで時間潰しに夜の平安神宮とか京セラ美術館とか見たり、次の日は苔寺、金閣寺、北野天満宮、夜の嵐山。最終日は銀閣寺、永観堂、南禅寺の水路閣、湯豆腐のコースを食べて祇園と、てんこ盛りに観光した。
観光しつつ、絵描きとして資料のための写真撮影もして、モデルのように髪をかきあげながら友達にポーズを取らせて「いいねいいね〜ちょっと目線上に」とかやるのが面白かった。
京都は一度行くと、「あの辺に行けなかった。今度はあそこに行きたい」という気持ちにすぐなるのだ。もう少し長くいたいとか。
近々また京都に行くような気がする。